ルール掲示板 852470


送球に対する守備機会

1:ノボル :

2017/06/03 (Sat) 12:45:53

host:*.nttpc.ne.jp
こんにちは、ノボルです。よろしくお願いします。
数年前ですが、次のような事例がありました。
学童中低学年(3・4年生)の試合なので珍プレーが色々あります。(笑)

①:一塁走者が盗塁を企てました。
②:捕手の送球は二塁ベースから一塁方向に1~2メートルほど方向がズレました。
③:遊撃手は、捕手からの送球の到達予想地点で走塁線をまたいで構えていました。
④:一塁走者は、(何を考えたかワザワザ)遊撃手の又の下に足から滑り込みました。
⑤:一塁走者は、遊撃手の又の下を通過する事が出来ず止まってしまいました。
(走者の足は二塁ベースに届かず、体は遊撃手の又の下です)
⑥:ワンバウンドの送球が時間差で遊撃手に届き、
捕球した遊撃手が走者に触球し走者はアウトになりました。

やってる子供たちは真剣そのものなんですが、その珍プレーのおかげで大人も
勉強になっています。(笑)


この後・・・、
ノボル監督は、
「走塁線上でボールを保持していない野手と走者が接触したので、オブストラクションは考えられないか?」
と思い、審判員さんに質問しました。

二塁審判さんは、
「遊撃手は送球を捕球するのに相応しい位置を占めていた。守備を優先します。」との見解でした。

そこで、2点質問があります。ご教授お願いします。

1つ目は、
野手が「送球」に対して
「ボールを守備する行為に ある 時」と、
「ボールを守備して いない 時」の  その「境目」ってどの辺りを指しているのでしょうか?


2つ目は、「相応しい位置」について
昨年コリジョンルールにより、走者と野手の接触は出来るだけ避ける方向で規則が改正されたと
理解しています。ベースパスとかベースラインなど新たな言葉も使用されていることから
「相応しい位置」についてもより具体的になったのではないかと思いますが、本塁以外の
例が少なく、そのあたりのところをご教授いただきたく宜しくお願い致します。




2:ノボル :

2017/06/03 (Sat) 13:23:15

host:*.nttpc.ne.jp
追加です。恐れ入ります。

この事例で、走者の足が二塁ベースに届いてセーフになった場合、走者に守備妨害を適用してアウトにしますか?


3:審判部 小川 :

2017/06/03 (Sat) 23:46:17

host:*.infoweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

文章から判断して「走塁妨害」では?と思いますが・・・

>そこで、2点質問があります。ご教授お願いします。

>1つ目は、
>野手が「送球」に対して
>「ボールを守備する行為に ある 時」と、
>「ボールを守備して いない 時」の  その「境目」ってどの辺りを指しているのでしょうか?

規則では
51 0BSTRUCTION「オブストラクション」(走塁妨害)
野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の走塁を妨げる行為である。(6.01h1・2)

【原注】ここにいう〝野手がボールを処理する行為をしている〟とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接野手に向かってきており
しかも十分近くにきていて、野手がこれを受け止めるにふさわしい位置を占めなければならなくなった状態をいう。
これは一に審判員の判断に基づくものである野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。
たとえば、野手がゴロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので
走者の走塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる。

野手が「最初から捕手の送球を待っているような状態で」2塁ベースの1塁側で待っていた場合には、送球が捕球されるまでに
走者が接触すれば「走塁妨害」の宣告をすることが必要です。
また、最初は2塁ベースを空けて待っていたが、送球が逸れた為にその方向に移動することはありますが、それも上記のような
状況になれば同じことです。
塁ベースのベースパスに入れるのは「ボールを持ってタッグしに行く時」「完全にアウトのタイミングでボールを待っている時」です。
(全てにおいて審判員の判断が優先することになります)

>2つ目は、「相応しい位置」について
>昨年コリジョンルールにより、走者と野手の接触は出来るだけ避ける方向で規則が改正されたと
>理解しています。ベースパスとかベースラインなど新たな言葉も使用されていることから
>「相応しい位置」についてもより具体的になったのではないかと思いますが、本塁以外の
>例が少なく、そのあたりのところをご教授いただきたく宜しくお願い致します。

2013年「ベースライン」が「ベースパス」に変更となりました。
理由は”直線的”な表現ではなく、”幅のある走路” と言う意味合いで変更となった。

本塁における”コリジョンルール”があまりにも大々的に取り上げられたので、塁ベース付近が霞んでいますが
各塁付近(通常スライディングに入る付近)においても走者のベースパス(塁の幅分)が規定されており
野手はボールを持たないで、このベースパスに立っていたり、ボールを処理する行為をしていない時に、このベースパスを
跨いだりしてはいけません。(質問1の回答と同様にオブストラクションの対象になる)

>この事例で、走者の足が二塁ベースに届いてセーフになった場合、走者に守備妨害を適用してアウトにしますか?

今回の件では 上記の1,2の回答通り、「走塁妨害」とすることはあっても「守備妨害」とはしません。
しかし 審判員の判定に関しては勉強も含めて「判定の確認」をして頂くことは必要です。
審判員は自分の判定が規則に則り、「正しく適用されている」と思い込んでいることが多々有ります。
試合での監督からの質問や確認が「新たな規則の勉強にもなり、審判員の上達」にも繋がります。
「執拗な抗議ではなく、ごり押しの言いがかりでもない、大人の対応」をこれからもお願いします。



4:ノボル :

2017/06/04 (Sun) 21:54:13

host:*.ocn.ne.jp
審判員小川様

早々に明快で、詳しく解説していただき、ありがとうございます。

大変勉強になりました。

競技者必携に
「挟撃プレー中、送球が走者の背中に当たり、走者の前で送球を捕らえようと待っていた野手と衝突した。どう処置したらよいか。」
答え
「ボールを持たない野手に走者が衝突したのであるからオブストラクションである。」

この問答から「オブストラクションも考えられるのでは?」と思いましたが、

挟撃プレーでなかった事と、野手を避けて走者が回り込めば大事なかった状況から、
???と、なりましたが、

規則からは、野手はボールを保持している者だけが、走者と接触できる資格者であり、
送球がベースパス内にそれた時は、野手の捕球と走者の接触で間一髪捕球が遅くても、多めに見るよ(ナッシング)
走者はできるだけ野手を避けて回り込みましょう、
野手はベースパス内には出来るだけ立ち入らないようにしましょう、
攻守双方とも危険なプレーは回避の努力(意図)をしなさい・・・という解釈でしょうか。
それでも接触した場合は、その状況により、インターフェアまたはオブストラクションを適用ですね。



当時の子供たちに、走塁の指導が足らなかった事を反省した場面でしたが、高校生の主力学年になった今では、
そんな時は「ややこしい」ことにならないよう頭を使ってくれていると思います。(笑)

ところで、
寝屋川スポーツ少年団様は、ルールについて事例の勉強会などされておられるのでしょうか?
いつも明快に解説しておられるので尊敬しております。

野球規則は、文章ばかりで解釈が難しい上に、直ぐ改正があるのでついて行くのが大変です。

「まさに」「十分近くに」だけでなく「一挙動であれば」「必要なプレー」等々、文章だけでなく
映像にして詳しく解説して欲しいと常々願っていますが叶っていません。

(数年前出会ったジムエバンスのボークルールDVDには、目から鱗で超感動しました。(感涙))

これからも、ご教授頂けますようよろしくお願いいたします。


5:審判部 小川 :

2017/06/05 (Mon) 20:44:51

host:*.3sweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

>規則からは、野手はボールを保持している者だけが、走者と接触できる資格者であり、
 「接触できる」ではなく「タッグ出来る」です。
>送球がベースパス内にそれた時は、野手の捕球と走者の接触で間一髪捕球が遅くても、多めに見るよ(ナッシング)
  基本的に捕球していない状態での接触は「走塁妨害」の対象です。
>走者はできるだけ野手を避けて回り込みましょう、
  「故意の衝突」は双方ともにインターフェアーの対象ですが、走者が回り込む事を推奨するものではありません。
>野手はベースパス内には出来るだけ立ち入らないようにしましょう、
  今回のようなプレイに対してはその通りです。
 >攻守双方とも危険なプレーは回避の努力(意図)をしなさい・・・という解釈でしょうか。
  その通りですが「守備の優先」「走者の優先」がありますから、一概には言えないところがあります。
>それでも接触した場合は、その状況により、インターフェアまたはオブストラクションを適用ですね。
  審判員の判断で、規則に則った判定をお願いしたいです。

>寝屋川スポーツ少年団様は、ルールについて事例の勉強会などされておられるのでしょうか?

毎月1回「定例会」と称して、各種連絡事項や試合での問題点、判定に対する質疑応答を勉強しております。
もちろん、試合後の反省会も行い、気がついた事は、試合の責任審判からアドバイスも行っております。

>「まさに」「十分近くに」だけでなく「一挙動であれば」「必要なプレー」等々、文章だけでなく
> 映像にして詳しく解説して欲しいと常々願っていますが叶っていません。

仰る通り、全員が悩んでいる部分です。

「説明の言葉」と「実際のプレイ」にはどうしても感覚的にズレがあり、中々全員が一致した判定が出来ません。
そこがまた審判員によって「判定が変わる」と言われる「難しい要素」の一つです。
アマチュア審判員(特に学童軟式)は、経験も浅く、規則にも中々精通していませんから、審判員の規則への自信の無さが
一瞬の判断でどちらかを判定する事になった時、頭が真っ白になります。
(なので、何もなかったかのようにプレイを流すことが多い)
全員が申し分無い、何てことは「永遠のテーマ」ですが、「規則に則った判定」を常々、口うるさく言っています。
(また何処からか「うるさい」と言われそうですが・・・)
ですが「一瞬のプレイを即座に判定しろ」なんて、あの「分厚い規則書の中を思い出せ」なんて、無理なことは当然です。

>(数年前出会ったジムエバンスのボークルールDVDには、目から鱗で超感動しました。(感涙))

UDCから販売されたDVDですね、私も持っています。
やはり、視覚的に見ると、より一層、頭に残るので勉強になりますね。
あの手のDVDを「アマチュア規則委員会作成」として、世に出して欲しいです。(規則が変わるから難しいでしょうね)

「審判員は裁判官の判事より難しい」と常々思っています。時間を掛けられない上に、どちらか判定をしないといけない。
愚痴ばかりになってすいません。今後も 全員が「品質アップ」出来るように、皆と勉強して行きたいと思っています。
ノボルさんは審判員もされていますか?これからも一緒に勉強しましょう。
6:ノボル :

2017/06/07 (Wed) 18:57:58

host:*.nttpc.ne.jp
こんにちは、ノボルです。

引用いただいた【原注】について、ご教授下さい。
実は、早合点し、
【原注】は、「ボールを持たない野手にオブストラクションを適用しない特例」だと
今日まで誤認識していました。恥ずかしながら・・・・(汗)

オブストラクション【原注】の意味は、
(タイミング的に走者アウトの状況で、)ボールを持たない野手が送球を捕球する為に必要動きであれば、
捕球する直前ならベースパス内に進入しても差し支えない。
審判員は、その後のプレーの結果を見て判断しなさい。・・・と言うことでしょうか。

結果① 野手が送球を捕球して走者に触球し、走者をアウトにした。(オブストラクションではない)

結果② 例えば 、
    a:野手が(エラー、ジャックル、暴投等で)送球を捕球できず、
         野手がボールを保持していない状態で走塁を妨げた。(オブストラクションである)

    b:送球が野手に到達するのが遅く、(その後捕球した、しないに関係なく)
         野手がボールを保持していない状態で走塁を妨げた。(オブストラクションである)

    c:送球が野手に到達する前に他の野手がカットする等で、
         野手がボールを保持していない状態で走塁を妨げた。(オブストラクションである)

これで、オブストラクション【原注】を理解できたとすれば、今まで引っ掛っていた何かは、無くなります。
 


>ノボルさんは審判員もされていますか?これからも一緒に勉強しましょう。

ありがとうございます。
ノボルは、最近はベンチ側の事が多く、公式戦で審判に立つことは、ほとんどありません。
たまに代理で理事に行った時とか練習試合等で時々経験を積ませていただいている程度です。

野球ルールは、とても奥が深く、興味を抱かせる面白さがあり、はまりました。
はまってしまったノボルは、中々抜け出せずに今でもウロウロしている次第です。(笑)

僭越ながら申しますと、子供達には、フェアプレーの精神でプレーする事を願い指導しております。
「優先権を盾に、審判員がジャッジしやすいように演技しなさい」とは教えられませんので、
(当方がお世話になっているスポ少の審判員様にも)よく見て欲しいと思っております。
勿論、人間がする事ですので私も含めエラーは誰にでもありますし、それは折込済みです。

そんな折、経験の浅い方も多い学童の審判員にもジャッジ水準の標準化と品質アップに力を入れて活動されている
小川様はじめ、寝屋川スポ少様は、スポ少の鑑のように思っております。
是非、近い将来YOUチューブに動画のアップを期待しております。(笑)

これからも精進して参りますので、宜しくお願いいたします。






7:審判部 小川 :

2017/06/08 (Thu) 20:42:51

host:*.infoweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

>オブストラクション【原注】の意味は、
>(タイミング的に走者アウトの状況で、)ボールを持たない野手が送球を捕球する為に必要動きであれば、
>捕球する直前ならベースパス内に進入しても差し支えない。
     ~~~~
「差し支えない」ではなく「走塁妨害」を宣告されにくい状況になると言うことですが、この「直前」が非常に曲者です。
いろいろな解釈がありますが、「ボールがグラブに入る寸前の野手の位置取り」と考えることが大事です。
【原注】にある
「野手がまさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接野手に向かってきており、しかも十分近くにきていて
 野手がこれを受け止めるにふさわしい位置を占めなければならなくなった状態をいう。」

この状況になった時は「ベースパスに入っても走塁妨害を宣告する可能性が下がる」と言う事です。(0では無いです)

何故「0」では無いのか?
アマチュア内規に「危険防止ルール」(コリジョンルール)がありますが、その一部を抜粋します。

3.タッグプレイのとき、捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は
オブストラクションが厳格に適用される。
なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても、故意に足を塁線上または塁上に置いたり、または脚を横倒しにするなどして
塁線上または塁上に置いたりして、走者の走路をふさぐ行為は、大変危険な行為であるから禁止する。
同様の行為で送球を待つことも禁止する。このような行為が繰り返されたら、その選手は試合から除かれる場合もある。

「なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても・・・」と言う部分が、今までに無く「厳しく見なさい」と言われる部分(0では無い部分)です。
(審判員の判断が非常に難しい・・・)

結果①結果②については、まったくその通りです。(お見事です!!)

>小川様はじめ、寝屋川スポ少様は、スポ少の鑑のように思っております。
>是非、近い将来YOUチューブに動画のアップを期待しております。(笑)

お褒めに預かりありがとうございます。しかし 本当にまだまだなんです。
私も含め全員がしっかり判定できるように、何回も繰り返し(この前も言ったのにと思いながら)反復練習です。
ましてYOUチュープなんて絶対無理です!!(恥の上塗りとはこの事です)
でも審判をしてくれている皆には感謝です。(私が怒ってばかりですが、褒める事も大事ですね)
モチベーションアップにも勉強させられます。(嫌になって辞められたら困ります)
今後も何とか、皆がついて来てくれるように頑張っていきます。

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