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1:野球好きおじさん
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2019/08/21 (Wed) 12:51:53
host:*.plala.or.jp
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通りすがりで恐縮ながら質問させていただきます。
塁の占有についてです。
0アウトまたは1アウトランナー2,3塁で三本間での挟殺プレーにおいて2人のランナーが3塁に触れているとき、
占有権は前位のランナーにある(両者タッチされれば後位のランナーがアウトになる)というのは存じているのですが、
先日とあるブログで
「三本間で挟んだ3塁ランナーよりも先にサードベース上にいる2塁ランナーをタッチ。
さらに、挟まれている3塁ランナーをタッチ。この場合、2塁ランナーもアウト。」
という記事を見かけました。
まず、この判断は正しいのでしょうか?
野球規則5.06(a)あたりが適用になると思うのですが、具体的に説明できません。
ご教示の程お願いいたします。
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2:審判部 小川
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2019/08/22 (Thu) 02:29:42
host:*.zaq.ne.jp
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こんにちは 審判部の小川です。
野球好きおじさん初めまして。
>先日とあるブログで
「三本間で挟んだ3塁ランナーよりも先にサードベース上にいる2塁ランナーをタッチ。
さらに、挟まれている3塁ランナーをタッチ。この場合、2塁ランナーもアウト。」
という記事を見かけました。
規則 5.06(a)(1)
(a)塁の占有
(1) 走者がアウトになる前に他の走者の触れていない塁に触れれば、その塁を占有する権利を獲得する。
その走者は、アウトになるか、または、その塁に対する正規の占有権を持ってい る他の走者のためにその塁を明け渡す義務が生じるまで
その権利が与えられる。
簡単に言えば「走者が触れていない塁は、どの走者でも占有できる」と言うことです。
規則 5.06(a)(2)
2人の走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。
ボールインプ レイの際、2人の走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位 の走者に与えられているから
後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトとなる。
ただし本条(b)(2)項適用の場合を除く。
ご存知のように「2人の走者が同一の塁に触れているとき」は前位の走者に占有権があります。
規則 5.06(b)(2)
打者が走者となったために進塁の義務が生じ、2人の走者が後位の走者が進むべき塁に触れている場合には
その塁を占有する権利は後位の走者に与えられているので、前位の走者は触球されるか
野手がボールを保持してその走者が進むべき塁に触れればアウトになる。(5.09b6参照)
ご存知のように、「進塁の義務がある前位の走者は元の塁に触れていても走者に触球されればアウト」になります。
この二つの規則が混同されているように思います。
なので、そのブログの内容は間違っていると思います。(2塁走者はセーフ)
全体の内容はどうなんでしょうか?
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3:野球好きおじさん
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2019/08/22 (Thu) 10:10:33
host:*.plala.or.jp
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小川様
非常に丁寧にご説明いただきありがとうございます。
まずブログ全体の内容としては、筆者の方の体験談として、
・草野球において筆者の方のチームが攻撃中に相手チーム(守備側)に今回のようなプレーをされて、
審判の方は「2塁ランナーがセーフ。3塁ランナーはタッチアウト」と判定された。
・相手チームは猛抗議したが、判定は覆らなかった。
・審判に救われた。
・前のランナー(3塁ランナー)が生きている状態では、サードベースの占有権は3塁ランナーにあります。
・例え2塁ランナーがサードベースを踏んでいたとしても、そこは安全地帯では無いのでタッチされればアウトになります。
以上の記載でした。
そもそもブログの表題が「ベース占有権の無いランナーにとって”ベース上は安全地帯じゃない”から注意!」というものです。
私も最初にこれを見たときは「挟殺プレー中に後から来たランナーに先にタッチするなんて、なんて高度なプレーだ」と思ったのですが、
と思ったのですが、同時に「3塁に到達した2塁ランナーがアウト」にも違和感を感じました。
「これが本当なら挟殺プレー中の他のランナーの進塁リスクが高すぎる」と…
今回のケースは、2人の走者が同一の塁に触れて『いない』ときの占有権の解釈がポイントかと思います。
規則 5.06(a)(1)
走者がアウトになる前に他の走者の触れていない塁に触れれば、その塁を占有する権利を獲得する。
私は、この条文の解釈が以下の2通り考えられるのが抗議が起きた原因ではないかと思いました。(あくまで想像ですが)
・(予め)他の走者の触れていない塁に触れれば… →前の走者が先に3塁を踏んでいるので、ブログの筆者の方の言う「3塁ランナーに占有権」
・(その時点で)他の走者の触れていない塁に触れれば… →小川様のおっしゃる「どの走者でも占有できる」
しかし前述の考え方ですと、その後の条文
「その塁に対する正規の占有権を持っている他の走者のためにその塁を明け渡す義務が生じるまでその権利が与えられる。」
これが筋が通らない文(正規の占有権を持っているって自分のことでは?)になってしまいますね。
今回小川様の解説をいただき、
「走者が触れていない塁は、どの走者でも占有できる」
これでとてもすっきりしました。
私は野球という競技との付き合いは30年ほどあるのですが、まだまだ「こんなケースは初めて」ということがありますね。
規則を正しく理解して、人に伝えられる側になりたいものです。
ご回答、誠にありがとうございました。
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4:審判部 小川
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2019/08/24 (Sat) 23:30:19
host:*.zaq.ne.jp
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こんにちは 審判部の小川です。
返事が遅くなりすいません。
野球好きおじさんの言われていたサイトが分かりました。
確かにその内容が書かれていました。
なのでサイト管理者にメールをし、規則解説とともに内容の訂正をお願いしました。
以下が返事です。
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読者に誤解を与えてしまい責任を感じております。後程、修正致します。
ありがとうございました!!
その際は二塁ランナーがベース上で先にタッチされアウト、ランダウンプレーでさらに三塁ランナーもアウトとなった記憶があります。
草野球の審判なので、多少の誤審は仕方ないかなと思いますが。
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やはり試合で審判が塁に付いている2塁ランナーにアウトの宣告をしたみたいです。
同じ審判員として恥ずかしい限りですが、ご存知のとおりインターネットサイトでの公表はある意味「怖いもの」があります。
ルールが一人歩きしてとんでもない方向に行く事もあり注意が必要です。
そういう私共のサイトもその点に留意しながら規則説明を行っているつもりですが
説明不足にはどしどしご指摘をお願いいたします。