ルール掲示板 761590


ベースを踏んだ後の落球

1:おじさんプレーヤー :

2015/10/24 (Sat) 21:23:30

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先日、某連盟支部の一般の部であったプレーです。
打球は一塁手正面に強烈なゴロ。一塁手は打球を一旦は弾きましたが、弾いた打球を拾い上げた後、一塁ベースを踏みました。
しかし、一塁ベースを踏んだ直後、一塁ベースに向かって走って来た打者走者と激突し、両者は顔面に裂傷を負う怪我をして、救急車を呼ぶ事態に。
また、激突した際、一塁手は落球したのですが、一塁ベースを踏んだタイミングは明らかに一塁手の方が早かったので、一塁塁審もその時にはアウトの判定を下しました。
ところが、救急車が来て2人を病院に運んだ後、試合が再開される時、判定はセーフに覆りました。
理由は、落球したからという事ですが、送球を落球したのであれば完全に捕球できていないという事で分かりますが、
ボールを持ってベースを踏んだ後の落球の場合は、ベースを踏んだ時点では完全に捕球した状態での触塁と判断してアウトの判定で良いのではないでしょうか?
ご教示宜しくお願いします。
2:審判部 小川 :

2015/10/26 (Mon) 17:17:27

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こんにちは 審判部の小川です。

返事が遅くなり申し訳ございません。
文章内容から大体の状況が推察できますが・・・

「1塁手は弾いた打球を拾い上げ、急いで一塁を踏んだが
 勢いで走り越し、右から走ってきた打者走者と激突した。
 1塁審の判定はアウトであったが、その後ボールを落とした事が原因でセーフとなる。」

とこんな感じですか?

>ボールを持ってベースを踏んだ後の落球の場合は、
>ベースを踏んだ時点では完全に捕球した状態での触塁と判断してアウトの判定で良いのではないでしょうか?

例えボールを持ってベースを踏んだ場合でも、審判員が「アウトと確定出来るまで」
ボールを確保する事が必要です。その時間は審判員に任されています。

おじさんプレーヤーさんに質問です。

質問1 野手は1塁を踏んだ時はボールをしっかり確保していたのでしょうか?(手かグラブ)

質問2 打者走者は「スリーフィートゾーン」走っていましたか?

質問3 「落球したのは打者走者との衝突が原因である」とのアピール(抗議)はされましたか?
3:おじさんプレーヤー :

2015/10/27 (Tue) 23:38:23

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小川様
ご教示ありがとうございます。
ご質問にお答えさせていただきます。

>質問1 野手は1塁を踏んだ時はボールをしっかり確保していたのでしょうか?(手かグラブ)
→グラブにしっかりと確保した状態で1塁を踏みました。

>質問2 打者走者は「スリーフィートゾーン」走っていましたか?
→はい、打者走者は「スリーフィートゾーン」を走っていました。

>質問3 「落球したのは打者走者との衝突が原因である」とのアピール(抗議)はされましたか?
→はい、「落球したのは打者走者との衝突が原因である」と抗議しました。
 抗議後、三人の審判が協議しましたが、やはりセーフとの判定が下されました。

宜しくお願いします。
4:審判部 小川 :

2015/10/28 (Wed) 18:06:56

host:*.infoweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

先ず「今回の状況や質問の回答」から推察してみます。

①1塁手はボールを「保持」し、1塁ベースに触れた事。(アウトになる根拠)
②1塁手と打者走者が衝突したとは言え「落球」となった事。(セーフになる根拠)
③攻撃、守備とも「故意」の妨害は無かった事。(どちらにも非が無い根拠)

以上を見て頂くと、今回の審判員の判定が「非常に難しい判定」である事がお分かり頂けると思います。

①「アウト」の根拠
  規則 2.76 タッグ
野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実にボールを保持して、その手またはグラブを走者に触れる行為をいう。
しかし、塁または走者に触れると同時、あるいはその直後に、ボールを落とした場合は、〝触球〟ではない。
 野手が塁またはランナーに触れた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、〝触球〟と判定される。
要するに、野手が塁またはランナーに触れた後、ボールを確実につかんでいたことが明らかであれば、これを落とした場合でも、”触球”と判定される。

  規則 2.76の「前段の部分」と「最後の2行」です。
  最初に1塁審が「アウト」と言ったのもこの部分が根拠であると思います。(推測です。)

②「セーフ」の根拠
  規則 2.76 タッグ
野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実にボールを保持して、その手またはグラブを走者に触れる行為をいう。
しかし、塁または走者に触れると同時、あるいはその直後に、ボールを落とした場合は、〝触球〟ではない。 
野手が塁またはランナーに触れた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、〝触球〟と判定される。
要するに、野手が塁またはランナーに触れた後、ボールを確実につかんでいたことが明らかであれば、これを落とした場合でも、”触球”と判定される。

   規則 2.76 後段の「しかし・・・」以降の文面
   審判員の方が協議して出した答え「セーフ」を適用したと思われる規則。(推測です。)

③「どちらにも非が無い」根拠
  1塁手の塁への触球動作、走者の塁への走塁動作共に、どちらも「故意の妨害」は無いと
  思える。
  
現場の審判員の方の見解として  

  「どちらかと言うと1塁手が触塁後「スリーフィートゾーン」に入って来た為に
   打者走者と衝突したので、落球の原因は「1塁手に有る」と言えるのではないか?
   だから「セーフ」とすることが正解である」

あくまで推測ですが「当たらずしも遠からず」ではないかと思います。
私の見解は次の投稿で書きます。
5:審判部 小川 :

2015/10/29 (Thu) 16:48:30

host:*.infoweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

前回の投稿内容で「アウト」「セーフ」の根拠が逆になっていました。(すいません)
(修正済み)

私が当該審判員であれば
「打者走者 アウト ボールデッド」として、救護処置を行う。

根拠は①の部分+②の文章にある「塁または走者に触れると同時、あるいはその直後に、ボールを落とした場合は、〝触球〟ではない。」は走者との「衝突」を想定していません。
それと
規則 7.08(b)
【原注一】打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、
それが故意であったか故意でなかったかの区別なくアウトになる。
【注1】 〝野手が打球を処理する〟とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。
従って、走者が前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。

上記の規則の根拠から

「打球を処理しボールを保持して1塁に触塁した後、衝突が無かったらボールを保持出来ていたと判断出来るのなら
打者走者を守備妨害とし、触塁によるアウトを認め、衝突による落球は規則2.76の「落球」には値せず
他に走者がいない事から、ボールデッドにする」と言う裁定が妥当ではないかと思います。

但し 私個人の見解です。
現場を見ていませんので、衝突状況も判定の根拠も推測の域を出ません。
6:おじさんプレーヤー :

2015/10/29 (Thu) 23:32:00

host:*.hi-ho.ne.jp
小川様
大変詳しい解説ありがとうございます。
野球って本当に奥が深いですね。50年位野球をやっていますが、正確に理解できていないルールがたくさんありそうです。
私も60歳近くになっても現役を止められないのは、この奥深さに魅了されているからだと思います。
審判の方々はこんなに奥が深いルールを理解して判定を下さなければならないのですから、本当に頭が下がる思いです。
我々プレーヤーがこうして野球を楽しめるのは、審判の方々のおかげである事を忘れず、残り少ない現役プレーヤーを楽しみたいと思います。
7:審判部 小川 :

2015/10/30 (Fri) 14:46:17

host:*.3sweb.ne.jp
こんにちは 審判部の小川です。

ありがとうございます。
そう言って頂けて少しは楽になります。

ですが審判員の判定は「正確であることが当たり前」の世界です。

学童野球~プロまで審判員は全員同じ気持ちでグランドに立っています。
でも「セーフ」と「アウト」の判定は両チームにとって「天と地」程の差があります。
人間のする事ですからミスもありますがそれを許して貰えない事も現実です。

とまあ、いつも反省しながら、またグランドに立つ事になります。
選手から尊敬される審判員になれるように今後も頑張って行きたいと思います。

その為には「常に精進精進!!」 

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